横尾幸弘氏の”さくら”変奏曲とハープエフェクト

横尾幸弘氏の”さくら”変奏曲とハープエフェクト

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横尾幸弘ギター作品集の中に、さくらの主題による変奏曲の楽譜が入っている。これがものすごく魅力的な作品で、クラシックギターのはずなのにまるでお琴のような演奏になるのだ。

Youtubeで人気のこの方の演奏も、ルーツは横尾幸弘さんだと思われる。

さくらという日本の曲は、琴での演奏がとても似合う。クラシックギターで演奏する際は、琴のような音色になるように工夫すると上手に聴こえる。この作品はその点を強く意識しているわけだが、ではどうすれば琴のような音色が出るか。一つにはブリッジに近いあたりを弾いて固めの音色を出すこと。もう一つは隣接開放弦を上手に使うこと。ということをこの楽譜と演奏から学んだ。

琴にはフレットがない。左手で弦を押したりして多少は音程を変えられるものの、基本的には開放弦を弾いて決まった音程の音を出す。これらの弦はミュートしない限りは鳴り続ける。その鳴り続けた開放弦の音の重なりが、琴らしさの一つなのだ。

この隣接開放弦をうまく使うという方法は、DADGADチューニングのハープ奏法と同じだ。よくよく考えたら、琴のことを英語でJapanese Harpと言ったりする。よく似た楽器だから、音色も似てくる。ギターでハープの音色を出したいとき(アイリッシュギター)と琴の音色を出したいとき(横尾奏法)、奏法が似るのも自然なことだ。

souji

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