Month: August 2017

洋書楽譜の出版社

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海外のアーティストの曲を弾きたいとき、日本の楽譜は限られているので、必然的に洋書を探すことになる。といっても最近はAmazonニッポンでも買えるのでハードルが低い。 洋書の出版社としてはHal Leonard, Melbay, Alfredなどが有名だ。 Hal Leonardは最大手でラインアップが豊富だ。流行りものをとりあえず楽譜にしたものから、アーティスト演奏の一音一音を忠実に採譜した玄人向けのもおのまで玉石混合である。だからたまに買って失敗した!(アレンジが安っぽかったり、簡単すぎたり)という楽譜もある。 Melbayは品質が安定しているように思う。ここは基本的に演奏上達を支援するツール(チュートリアル)としての楽譜の出版というスタンスなので、中身が良いうえに、非常に丁寧で良い。Alfredも同じようなスタンスだと思う。

ハイポジションでのメロディ弾きを練習するにあたって困るのが、力が入りすぎて左手の指先が痛くなってしまうこと。ミディアムゲージ弦を張ってテンションばんばんなので、仕方がないといえば仕方がないのだが。 そこで最近はクラシックギターでハイポジションのメロディ弾きを練習するようになった。これが意外にメリットが多いのだ。ナイロン弦でテンションも弱いのでどれだけ練習しても左手指先を傷めないこと、音量を気にせずに自宅でも練習できること、弦と弦の間のスペースがアコギよりも広いのでピックでも目的弦にあたりやすく気持ちよく練習できること、などなど。 練習に使うのは、バッハが良いと思う。美しいメロディラインがあることと、ベースラインもまた旋律的であることと、ハーモニーや転調も美しいこと。Ben Boltのアレンジの一冊が気に入っている。

横尾幸弘ギター作品集の中に、さくらの主題による変奏曲の楽譜が入っている。これがものすごく魅力的な作品で、クラシックギターのはずなのにまるでお琴のような演奏になるのだ。 Youtubeで人気のこの方の演奏も、ルーツは横尾幸弘さんだと思われる。 さくらという日本の曲は、琴での演奏がとても似合う。クラシックギターで演奏する際は、琴のような音色になるように工夫すると上手に聴こえる。この作品はその点を強く意識しているわけだが、ではどうすれば琴のような音色が出るか。一つにはブリッジに近いあたりを弾いて固めの音色を出すこと。もう一つは隣接開放弦を上手に使うこと。ということをこの楽譜と演奏から学んだ。 琴にはフレットがない。左手で弦を押したりして多少は音程を変えられるものの、基本的には開放弦を弾いて決まった音程の音を出す。これらの弦はミュートしない限りは鳴り続ける。その鳴り続けた開放弦の音の重なりが、琴らしさの一つなのだ。 この隣接開放弦をうまく使うという方法は、DADGADチューニングのハープ奏法と同じだ。よくよく考えたら、琴のことを英語でJapanese Harpと言ったりする。よく似た楽器だから、音色も似てくる。ギターでハープの音色を出したいとき(アイリッシュギター)と琴の音色を出したいとき(横尾奏法)、奏法が似るのも自然なことだ。