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Billy Joel “She’s got a way”は大胆なAmが効果的

ビリージョエルの「She’s Got a Way」。切々とShe=彼女が自分の日々を彩ってくれることを描写する曲だ。美しいとか、ウィットがあるとか、そんな具体的なことは言わない。「何故だかわからないが気分があがるんだ」。それがいい。 曲はGメジャーの曲で、Aメロはわりとシンプルに、G→D→Em→G7→C。ところどころベースを展開形にしてソ→ファ#→ミ→レ→ドと降りてくる。このG7(Dにしないところ)、いいね。 Bメロの頭でDが出てきて、→Am→G→Gm→Dと目まぐるしく変化する。内声でレ→ド→シ→シ♭→ラと進行。個人的にはこの2つ目のAmがなかなか思いつかないコード。普通はD7にしてしまいそうだが、Amにすることでダイナミックな印象が出て、かつそのあとのマイナーコード(Gm)の伏線にもなっている。Bメロ頭のDは、主調であるGメジャーのV(ドミナント)だが、ぐるっとまわって戻ってきたDは転調してDメジャーのI(トニック)のような印象だ。 このあと D→F#7→Bm→D7と展開し、→GメジャーのAメロに戻る。 “She’s Got a Way ” リリース: 1971年  収録アルバム:Cold Spring Harbor

Billy Joel “Uptown Girl”の転調はそのままあがる

Aメロ(D) → B♭(Bメロ) → G(ブリッジ) → Aメロ(D) Dメジャーのサブドミナント、ドミナントであるG→A→からDに戻らずにB♭に行ってる。 “Uptown Girl” リリース: 1983年  収録アルバム:イノセントマン

Billy Joel “This Night”の転調は意外に遠くて近い

ベートーベンの悲愴を上手にサビのメロディに活用した、ビリージョエルの”This Night”、邦題は「今宵はフォーエバー」。曲の構成はAAB(Bがサビ)。 原曲の調はAメジャー。Aメロは普通に来て、B(サビ)でFメジャーに転調する。Aメジャーは#が3つ、Fメジャーは♭が1つ、とだいぶ遠いところにあるコードなので意外な感じもするが、違和感なく転調に成功している。カギとなっているのはメロディの「ラ」の音のようで、Aメロの終わりもBメロの始まりも「ラ」だ。また、AメジャーからFメジャーに移るときには内声のミ→ファが半音階(上昇)、同じく内声のド#→ドが半音階(下降)で、音的には近い。このあたりも自然な転調に一役買ってるのかもしれない。 “This Night ” リリース: 1983年  収録アルバム:イノセント・マン

Congress Reel → Maid Behind the Bar

Congress Reel → Maid Behind the Bar

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Congress Reel はAドリアンの曲だが、一番の特徴は2音目3音目、10音目11音目、18音目19音目、26音目27音目が同音であることだと思う。ミララソラシドレ ミララファソファミレ ミララソラシドレ シソソレソラシレ だ。Bメロに入っても同じで、ミララソラーラソ ミララファソファミレ と続く。以下の楽譜は一例。       なのでこの特徴を活かして、セットにする曲は同じような旋律を持つ Maid Behind the Barがいいように思う。これはDイオニアンの明るい曲で、ファララシラファミレ ファララシラシレミ ファシシラシドレミ ファーソファミレシラ と続く。Bメロに入っても同じ構造が続く。      

Elvis Costelloで有名な Charles Aznavour の”SHE”はどこで転調してるのか

映画「ノッティングヒルの恋人」で有名になった「SHE」という曲。美しいメロディ、コード、Elvis Costelloの歌。てっきりコステロの曲だと思っていたが、原曲は Charles Aznavour が作ったもので、映画のためにコステロがカバーしたものだった。 さてこの「SHE」、構成はAABA。主調はD♭メジャー。 イントロ~AメロはD♭から牧歌的に始まるが、2小節目にdiminishコード。「彼女」を想い心が揺さぶられている様子にピッタリの不安定なコード。このdiminishは、Bメロの複雑なコード進行の伏線にもなってるような気がする。2小節目のEdim7は、Bメロ2小節目のEメジャーとパラレル感がある。diminish以外は極めてノーマルなコードで「彼女」を描きあげる。 Bメロの最初の4小節はAメロをなぞったようなメロディだが、コードはAメジャーで、Eメジャー、Dメジャー、C#メジャーと展開する。Aメロは♭系のコードだったので、ここで#系に頭を切り替える。おもしろいことに、Aメロ、Bメロ、ともにメロディの頭の音は同じ音(D♭・C#)だ。だが階名で口にするときはコードに倣って、Aメロは「レ♭ードレ♭ド」だが、Bメロは「ド#ーミファ#ソ#」のようになる。なおこの4小節、いったんEメジャーに転調して、経過的にDメジャーに転調し(効いてる!盛り上がりを抑制してる)、さらにC♯メジャーに転調しているようにきこえる。C#メジャーってことはD♭メジャーと同じだから、なにげに主調に戻ってきてる。   Bメロの後ろの4小節はこの曲のサビ。F#マイナーからBメジャー、Eメジャーとツーファイブ進行でドラマチックに盛り上げて再びEメジャーに転調し、C#メジャーを挟んで、shadows of the past のpast でE♭メジャーへ。あがってるのは一音だけだから自然だ。ここで再び頭を♯系から♭系に切り替える。階名では「ド#ーソ#ソ#ファ##ソソ#」「ソーミ♭ファソラ♭シ♭~」。コード的にはpastのソの音から、E♭メジャーの第3音だが、その前の「ファ##ソソ#」が移行部で、ここはコードはC#メジャーのままEbメジャーの「ファソラ♭」と読むべきなのかもしれない。C#メジャーに含まれずE♭メジャーの主要音である「ソ♮」音が移調の鍵か。そしてGdim(ここでもAメロの伏線が活きてる)を挟んでA♭メジャーで最高潮 till the day I die!   これで原調のD♭メジャーに戻れた。   この曲の美しさの背景には、dimコードを上手に使って、心の揺れ動き・不安定さを表現しながら、転調を上手に使って恋心の抑揚感を出し、でも抑制し、最後までためてサビで爆発させるという、「彼女」を想う歌詞に合わせたメロディ&コードコントロールがあるな、と思った。 タイトルの問い「どこで転調してるのか」に対する回答としては、Bメロの最初の4小節でそれまでのD♭メジャーから、Eメジャー→Dメジャー→C#メジャーに転調し、Bメロの次の4小節で再びEメジャーに転調(またはその次のC#メジャーも転調と言ってもよいかもしれない)し、Bメロの終わりの二小節で再びD♭メージャーに転調する、という感じだろうか。   ※素人の分析なので、いろいろ間違ってると思う。

Kevin Burke と Michael O’Domhnaill

Kevin Burke と Michael O’Domhnaill

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 アイリッシュフィドルとギター、最高峰の二人だろう。

Billy Joel – Just the Way You Are の転調部

Bメロの What will it take~ のところで、それまでDメジャーだった曲が、急にB♭になる。ただこれはB♭調に転調したわけではなくてFメジャーに転調した(B♭はFメジャーのIV)、と理解すると良いようだ。ただしそのあともF(I)は出てこないうちに、すぐにDメジャーに戻る。 Dメジャー→Fメジャーへの転調は唐突感あるが、この瞬間的な転調がこの曲の美しさを際立たせている。F調はDマイナーともいえるので(五度圏3つ)、親和性は高いようだ。Dメジャーに戻るときは、D7でドの音を挟み、Gm7(内声レドシ♭も注目)からA7的役割のEm7/Aへ。 こちらで勉強させていただいた “Just The Way You Are ” リリース: 1977年  収録アルバム:ストレンジャー

Choros No.1 ショーロス第一番

Choros No.1 ショーロス第一番

ショーロス第1番。おもしろい曲だ。作曲はブラジルの作曲家Villa-Lobos(ビラ=ロボス)。 クラシック音楽にブラジルの民俗音楽を取り込んだ、という紹介がなされているが、逆にブラジルの民俗音楽にクラシックテイストを持ち込んだ、と理解しても良いのかもしれない。半音階でルート音に降りていくベースの動きに「ブラジルギターってこういうの多いよね」と思った。